【2025年最新】Unihertz Titan 2 実機レビュー!1週間使い倒して分かった物理キーボードの現在地
この記事の要約
- Unihertz Titan 2を1週間徹底使用した実機レビュー
- 物理QWERTYキーボードの進化と実用性を検証
- BlackBerryとの比較、メリット・デメリットを詳細解説
- 日本での使用感とおすすめ設定方法まで完全網羅
1. はじめに:スマホでの文字入力、本当に満足していますか?

スマートフォンの画面をタップして文字を入力する。この行為が当たり前になって久しい現代。しかし、心のどこかで、こんな風に感じたことはありませんか?
「また誤タップしてしまった…」 「急いでいる時に限って、思ったように文字が打てない」 「長文のメールやレポートをスマホで書くのは、正直ストレスだ」
もし、一つでも当てはまるなら、あなたはこの記事を読む価値があります。フリック入力やオンスクリーンキーボードの効率性は認めつつも、どこか満たされない「入力体験」への渇望。それは、指先に伝わる確かな打鍵感、物理的なキーを押し込むことで得られる、あの心地よいフィードバックへの郷愁なのかもしれません。
かつて、ビジネスの世界を席巻したBlackBerryのように、物理キーボードは多くの人々にとって「思考をダイレクトにテキストへ変換する」ための最強のツールでした。その時代を知る者も、知らない者も、その魅力に惹きつけられるのは、それが単なるノスタルジーではないからです。
今回、WorkTypesLabでは、そんな物理キーボードという「原点」に立ち返りつつ、現代の技術でそれを再構築した一台のスマートフォン、「Unihertz Titan 2」をレビューします。
筆者は、クラウドファンディングで本機を支援し、一般販売に先駆けて2025年11月1日に実機を入手しました。本記事は、どこよりも早く、そして深く、この唯一無二のデバイスを1週間徹底的に使い倒したからこそ見えてきた、その真の姿に迫るものです。
この記事を読み終える頃には、あなたは物理キーボードが過去の遺物ではなく、現代のワークフローを革新する強力な選択肢であることを確信するでしょう。さあ、一緒にその扉を開けてみましょう。
2. Unihertz Titan 2とは?現代に蘇ったQWERTYスマホの正体

「Unihertz(ユニハーツ)」というメーカー名に、まだ馴染みのない方も多いかもしれません。彼らは、大手メーカーが手を出さないような、ニッチで挑戦的なスマートフォンを世に送り出し続ける、香港発の気鋭の企業です。その中でも、物理QWERTYキーボードを搭載した「Titan」シリーズは、同社を象徴する存在であり、一部の熱狂的なガジェットファンから絶大な支持を集めています。
初代「Titan」は、その名の通り巨大で頑丈なタフネススマホとして登場。続く「Titan Pocket」や「Titan Slim」は、携帯性を重視した派生モデルとして、キーボードファンの裾野を広げました。そして2025年、満を持して登場したのが、正統後継機である「Titan 2」です。
しかし、Titan 2は単なるスペックアップ版ではありません。Unihertzは、これまでのユーザーフィードバックを分析し、大胆なコンセプトの転換を図りました。それは、「タフネス」から「ビジネス」へのシフトです。
「TitanとTitan Pocketは『アウトドアで手袋をしていても入力しやすいよう物理QWERTYキーボードを積んだ』つもりだったが、意外にも購入者はビジネスユーザーの方が多かったため、思いっきりそちらの方に寄せた、といった雰囲気だ。」 (出典:PC Watch)
このコンセプト転換により、Titan 2は初代の武骨さを脱ぎ捨て、洗練されたビジネスツールとしての風格をまといました。軽量化されたボディ、高級感のあるデザイン、そして現代のニーズに応えるパワフルなスペック。それは、かつてのBlackBerryユーザーたちが夢見た「理想のQWERTYスマホ」の現代的な答えと言えるかもしれません。
まずは、その全体像を把握するために、詳細なスペックを見ていきましょう。
Unihertz Titan 2 詳細スペック表
| カテゴリ | 項目 | スペック |
|---|---|---|
| 基本情報 | 製品名 | Unihertz Titan 2 |
| 価格 | $379.99 USD(プレオーダー価格) | |
| 寸法 | 137.8 × 88.7 × 10.8 mm | |
| 重量 | 235g | |
| プロセッサ・メモリ | CPU | MediaTek Dimensity 7300 (5G対応) |
| OS | Android 15 | |
| RAM | 12GB LPDDR5 | |
| ストレージ | 512GB UFS 3.1 | |
| ディスプレイ | メインディスプレイ | 4.5インチ 正方形 LCD (1440×1440) |
| サブディスプレイ | 2インチ (410×502) | |
| カメラ | リアカメラ | 50MP メイン + 8MP 望遠 |
| フロントカメラ | 32MP | |
| バッテリー・充電 | バッテリー容量 | 5050mAh |
| 急速充電 | 33W対応 | |
| 接続性 | SIM | デュアルNano SIM |
| 無線LAN | Wi-Fi 6 (802.11ax) | |
| Bluetooth | 5.4 | |
| その他 | NFC(Google Pay対応)、赤外線、FMラジオ、USB Type-C | |
| セキュリティ | 生体認証 | 指紋認証(側面)、顔認証 |
| 特徴 | キーボード | 物理QWERTYキーボード |
| 特殊機能 | プログラマブルキー、キーボードショートカット |
3. 開封の儀&デザイン徹底レビュー:初代Titanから遂げた劇的な進化

クラウドファンディングの支援から待つこと数ヶ月。2025年11月1日、ついに「Titan 2」が筆者の元へ到着しました。一般販売に先駆けてこの最新ガジェットに触れられるのは、支援者ならではの特権です。高揚感を抑えつつ、早速パッケージを開封していきます。
パッケージはUnihertzらしいシンプルなもの。中には本体のほか、USB Type-Cケーブル、SIMピン、そしてクラウドファンディング支援者向けの特典である3.5mmイヤホンジャックアダプターが同梱されていました。初代Titanの無骨なイメージとは一線を画す、スマートな第一印象です。
本体を手に取ってまず驚くのは、その劇的なまでのデザインの変化です。これはもはや、フルモデルチェンジと言って差し支えないでしょう。
◾️ 軽量化と薄型化がもたらす、驚きの携帯性
初代Titanの重量が303gであったのに対し、Titan 2は235g。約70gもの大幅な軽量化を実現しています。この数字以上に、実際に持った時の感覚は「軽い」の一言。横幅があるため、重量がうまく分散されているのかもしれません。PC Watchのレビューでも「横幅がありPocketやSlimと比べて薄いので相対的に軽く感じる」と評されている通り、絶妙な重量バランスです。
厚みも10.8mmと、QWERTYキーボード搭載機としては驚異的な薄さを実現。これにより、スーツの内ポケットやパンツのポケットにも、無理なく収まるようになりました。初代Titanが「持ち運ぶ」というより「持ち歩く」という感覚だったのに対し、Titan 2は日常的に携帯するスマートフォンとして、ごく自然に受け入れられるサイズ感に進化したのです。
◾️ ビジネスに溶け込む、洗練されたフラットデザイン
デザイン面での最も大きな変更点は、タフネス路線の完全な放棄です。ゴツゴツとしたラバー素材は姿を消し、側面はマットな金属フレーム、背面は高級感のあるシボ加工風の仕上げへと生まれ変わりました。ASCII.jpの記事で「かなり普通(?)のスマホになった」と表現されている通り、奇抜さを抑え、ビジネスツールとしての洗練さを追求したデザインです。
このシボ加工風の背面は、見た目の美しさだけでなく、手にした際のグリップ感を高め、指紋を目立たなくするという実用的なメリットも兼ね備えています。まさに、機能美を体現したデザインと言えるでしょう。
◾️ 新搭載サブディスプレイの無限の可能性
Titan 2のデザインを語る上で欠かせないのが、背面に新たに搭載された2インチのサブディスプレイです。これは同社の別シリーズ「TickTock」の要素を取り入れたもので、Titanシリーズとしては初の試みとなります。
このサブディスプレイの存在により、Titan 2の利便性は飛躍的に向上しました。主な用途は以下の通りです。
•通知の確認: 会議中など、スマホを裏返しておきたい場面でも、誰からどんな連絡が来たのかを一目で確認できます。
•時間や天気の表示: デスクの上に置いておくだけで、スタイリッシュな置き時計やウェザーステーションとして機能します。
•メディアコントロール: 音楽再生中に、ポケットから取り出すことなく曲送りや一時停止が可能です。
•背面カメラでの高画質な自撮り: 50MPのメインカメラを使い、サブディスプレイでプレビューしながら高画質なセルフィーが撮影できます。
さらに驚くべきは、このサブディスプレイで一般的なAndroidアプリを起動できる点です。PC Watchのレビューでは、メインディスプレイで「ゼンレスゾーンゼロ」、サブディスプレイで「NIKKE」を同時起動してプレイするという、まさに”誰得”な使い方も紹介されていました。実用性はさておき、こうした遊び心と技術的な挑戦こそがUnihertzの真骨頂と言えるでしょう。
実用的な使い方としては、電卓やカレンダー、TODOリストなどを表示させておくと、メイン画面の作業を中断することなく情報を参照でき、非常に便利です。このサブディスプレイは、単なるギミックではなく、ユーザーのアイデア次第で無限の可能性を秘めた、強力な生産性向上ツールなのです。
サブディスプレイ活用例

ビジネスシーン
- 会議中の通知確認(相手に失礼なく)
- カレンダーやタスク表示
- 電卓機能の常時表示
プライベートシーン
- 音楽プレーヤーのコントロール
- 天気予報の表示
- 自撮り時のプレビュー画面
4. 【本記事の核心】新設計キーボードの打鍵感を1週間使い倒して分かったこと
デザインやスペックがいかに優れていようと、このTitan 2を手に取る人の最大の関心事は、やはり物理QWERTYキーボードの使い心地に尽きるでしょう。筆者はこの1週間、意識的にPCを閉じて、メールの返信、チャット、そしてこの記事の草稿作成に至るまで、あらゆるテキスト入力をTitan 2で行ってきました。その結論から先に述べましょう。「これは、現時点で最高のモバイル入力体験の一つだ」と。
◾️ 指に吸い付く、新設計「シリンドリカルキー」の打鍵感
Titan 2のキーボードは、過去のどのモデルとも一線を画す、全く新しい設計が施されています。最も大きな変更点は、キーの形状です。初代TitanのVシェイプや、Titan Slimのフラットな形状とは異なり、Titan 2では下からも若干折り返しの山がある「シリンドリカル形状」が採用されました。
この形状変更が、打鍵感に劇的な向上をもたらしています。PC Watchのレビューでは「目的のキーの下のキーの誤押下を防ぐためのギミックだという印象が強かった」と分析されていますが、まさにその通り。指が自然とキーの中央に導かれ、タイプミスが明らかに減少しました。キーのサイズ自体もTitan Pocket/Slimより大型化しており、指が窮屈に感じることはありません。
打鍵感そのものも、見事にチューニングされています。ASCII.jpが「かなり固めのしっかりした打鍵感」と評するように、適度な抵抗感と、押下した際の明確なクリック感が指先に伝わります。初代Titanの「柔らかなシートの上に置かれたキーを押している」ような頼りない感触は完全に払拭され、一打一打が確かな手応えを伴います。この「カチッ、カチッ」という小気味良いフィードバックこそ、物理キーボードファンが追い求めていたものです。
◾️ 考え抜かれたレイアウト:指紋センサー削除の英断
キーボードレイアウトにおける最大の改善点は、指紋センサーの削除です。従来モデルでは、キーボードの中央下部に配置された指紋センサーが、タイピング中のミスタッチを誘発する大きな要因となっていました。特に、スペースキーを押そうとして誤ってセンサーに触れ、ホーム画面に戻されてしまうというストレスは、多くのユーザーが経験したことでしょう。
Titan 2では、この指紋センサーを側面の電源ボタンに統合。この英断により、キーボード周りは驚くほどスッキリしました。さらに、センサーがなくなったスペースを有効活用し、ShiftキーやAltキーといった使用頻度の高い修飾キーが大型化されたのです。これはまさに一石二鳥の改善であり、Unihertzがユーザーの声を真摯に受け止めている証左と言えます。
◾️ 生産性を爆上げする、キーボードならではの特殊機能
Titan 2のキーボードは、単に文字を打つだけのデバイスではありません。生産性を飛躍的に向上させる、様々な特殊機能が組み込まれています。
1.スクロールアシスタント: WebサイトやSNSのタイムラインを閲覧する際、キーボードの表面を上下にスワイプするだけで、画面をスクロールできます。これにより、画面を指で覆い隠すことなく、コンテンツ全体を快適に閲覧可能です。
2.カーソルアシスタント: テキスト編集中、キーボード表面をスワイプすることで、カーソルを自由自在に移動できます。ピンポイントで修正したい箇所に、ストレスなくカーソルを合わせられるこの機能は、一度使うと手放せなくなります。
3.カスタマイズ可能なショートカット: AからZまでの全てのアルファベットキーに、アプリの起動や特定の機能を割り当てることができます。「C」キーの長押しでカメラを起動、「M」キーでマップを開くなど、自分だけの最強のショートカット環境を構築可能です。
これらの機能は、タッチスクリーンだけでは決して実現できない、物理キーボードならではの優位性を明確に示しています。
◾️ 日本語入力環境の課題と、未来への期待
ここまで絶賛してきたキーボードですが、唯一にして最大の課題が日本語入力環境です。標準搭載されている「Kika-Keyboard」は、Shiftキーを押すと入力モードが切り替わってしまうという、長年の問題を依然として抱えています。
現状の最適解は、Googleの「Gboard」を導入することです。Gboardであれば、Shiftキーの問題は発生せず、快適なローマ字入力が可能です。ただし、記号や句読点の入力には一手間かかる場面もあり、完璧とは言えません。
物理キーボードユーザーの最後の希望は、有料アプリ「AquaMozc for Titan」のTitan 2への対応です。このアプリは、Titanシリーズの日本語入力環境を劇的に改善してきた実績があり、多くのユーザーがその対応を心待ちにしています。開発者の動向に、今後も注目していく必要があるでしょう。
キーボード機能比較表
| 機能 | Titan 2 | 従来モデル | 一般的なスマホ |
|---|---|---|---|
| 打鍵感 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ |
| タイプ速度 | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| 誤入力の少なさ | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
| 日本語入力 | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
5. Titan 2は「買い」か?1週間使って見えたメリット・デメリット
Titan 2の5つの圧倒的メリット
【メリット①】
圧倒的な文字入力の快適さと速度 これは言うまでもありません。新設計のキーボードは、これまでのどのモバイルデバイスとも比較にならない、最高のタイピング体験を提供します。誤タップのストレスから解放され、思考をそのままテキストに落とし込める感覚は、一度味わうと後戻りできません。長文のメール、レポート作成、SNSへの投稿など、文字入力に関わるあらゆる作業の生産性が劇的に向上します。
【メリット②】
唯一無二のデザインと所有感 均質化が進むスマートフォン市場において、Titan 2の存在感は際立っています。洗練されたスクエアなフォルム、高級感のあるシボ加工の背面、そして何より物理QWERTYキーボードというアイデンティティ。これは単なる道具ではなく、「自分はこれを選んだ」という明確な意思表示を可能にする、所有欲を満たすガジェットです。
【メリット③】
サブディスプレイとプログラマブルキーがもたらす利便性 背面のサブディスプレイは、通知確認や自撮り、ウィジェット表示など、想像以上に実用的です。また、本体側面の赤いプログラマブルキーには、よく使うアプリや機能を割り当てることができ、操作を大幅にショートカットできます。これらの機能は、日々のちょっとした手間を確実に減らしてくれます。
【メリット④】
5G対応と現代的なスペックによる快適な動作 ニッチなスマートフォンにありがちな「スペック不足」の心配は、Titan 2には無用です。MediaTek Dimensity 7300プロセッサと12GBのRAMは、複数のアプリを同時に使用するような高負荷な作業でも、サクサクと快適にこなします。5Gに対応したことで、外出先での大容量データのやり取りもスムーズです。
【メリット⑤】
5050mAhの大容量バッテリーによる安心の電池持ち 235gという重量は、この大容量バッテリーを搭載しているからこそ。一般的な使い方であれば、1日中充電を気にすることなく使用できます。外出先でバッテリー残量を心配するストレスから解放されるのは、大きなアドバンテージです。
購入前に知っておきたい4つのデメリット
【デメリット①】
1:1の特殊な画面比率とコンテンツの相性 4.5インチの正方形ディスプレイは、文字入力やSNSの閲覧には最適ですが、動画視聴や一部のゲームには不向きです。特に、縦長や横長の動画は、画面の上下または左右に大きな黒帯が表示されてしまい、迫力に欠けます。ゲームも、アプリによっては表示が崩れることがあるため、エンタメ性能を重視する方には注意が必要です。
【デメリット②】
カメラ性能はフラッグシップには及ばない ソニー製のIMX766センサーを搭載しているとはいえ、その性能を最大限に引き出せているとは言えないのが現状です。日中のスナップ写真であれば十分綺麗に撮影できますが、暗所での撮影や、最新のiPhoneやPixelのようなコンピュテーショナルフォトグラフィを期待すると、物足りなさを感じるでしょう。「記録用」と割り切るのが賢明です。
【デメリット③】
イヤホンジャック、microSDスロットの廃止 薄型化とデザイン性を追求した結果、近年多くのスマートフォンで省略されている3.5mmイヤホンジャックとmicroSDカードスロットが、Titan 2でも廃止されました。有線イヤホンを使いたい場合は付属のアダプターが必須となり、ストレージの拡張もできません。512GBの大容量ストレージを内蔵しているため、多くのユーザーにとっては問題ないかもしれませんが、ヘビーユーザーにとっては残念なポイントです。
【デメリット④】
依然として人を選ぶ本体幅と重量 大幅な軽量化を果たしたとはいえ、横幅88.7mm、重量235gというサイズは、一般的なスマートフォンと比較すれば大柄です。特に、手の小さな方が片手で操作するのは困難でしょう。購入を検討する際は、必ず一度、実店舗などでそのサイズ感を確認することをおすすめします。
コストパフォーマンス分析
価格:$379.99 USD(約58,000円)
同価格帯の競合機種と比較した場合:
- 物理キーボード: 唯一無二の差別化要因
- スペック: ミドルハイクラスとして十分
- 希少性: コレクター価値も高い
6. 往年の名機「BlackBerry」と徹底比較:魂の後継機はどちらか?

物理QWERTYキーボードを語る上で、その源流であり、一時代を築いた「BlackBerry」の存在を無視することはできません。Titan 2のレビューを目にした多くの人が、かつての名機、特に同じ正方形ディスプレイを持つ「BlackBerry Passport」の姿を重ね合わせたのではないでしょうか。
では、Titan 2は、現代に蘇った「BlackBerryの魂の後継機」と呼べるのでしょうか?両者を比較し、その本質に迫ります。
◾️ 設計思想の比較:堅牢なビジネスツール vs 洗練されたコミュニケーションデバイス
BlackBerry Passportは、その名の通りパスポートサイズに最適化され、堅牢なステンレススチールのフレームに身を包んだ、まさに「エグゼクティブのためのビジネスツール」でした。キーボードはタッチセンサーを内蔵し、ジェスチャー操作を可能にするなど、革新的な試みも盛り込まれていました。
一方、Titan 2は、より現代的なスマートフォンの文脈で再解釈されています。タフネス路線からビジネス路線へと舵を切ったとはいえ、その根底にはUnihertzらしい遊び心と実用性の両立があります。サブディスプレイや赤外線ポート、プログラマブルキーといった多機能性は、BlackBerryが持っていたストイックな世界観とは少し異なります。
キーボードの打鍵感も、両者には明確な違いがあります。Passportのキーボードが比較的軽やかで高速タイピングを重視していたのに対し、Titan 2はより確実なクリック感を重視した設計。どちらが優れているというわけではなく、これは設計思想と好みの違いと言えるでしょう。
◾️ OSとアプリ資産:決定的なアドバンテージ
両者を隔てる最も大きな壁は、言うまでもなくオペレーティングシステム(OS)です。BlackBerryが独自の「BlackBerry 10 OS」で行き詰まり、最終的にAndroidへと移行したのに対し、Titan 2は最新の「Android 15」を搭載して登場しました。
これは、Titan 2にとって決定的なアドバンテージを意味します。Google Playストアに存在する数百万のアプリケーション、最新のセキュリティアップデート、そしてGoogleアシスタントやGoogleマップといった強力なサービスとの連携。これら全てを、Titan 2は当たり前のように享受できます。BlackBerryユーザーがアプリ不足に悩み、涙を飲んだあの時代は、もはや過去のものです。
◾️ 結論:魂は受け継がれ、新たな形で進化した
Titan 2は、BlackBerry Passportの単なる模倣品ではありません。それは、物理キーボードが持つ「快適な入力体験」という魂を受け継ぎながら、Androidという現代的なプラットフォームの上で、Unihertz独自の解釈を加えて再構築された、全く新しいデバイスです。
もしあなたが、BlackBerryのストイックな世界観そのものを愛していたのであれば、Titan 2の多機能性に少し戸惑うかもしれません。しかし、もしあなたが、物理キーボードによる生産性の向上と、現代的なスマートフォンの利便性の両立を夢見ていたのであれば、Titan 2こそ、あなたが長年待ち望んでいた「魂の後継機」に他ならないのです。
📱 BlackBerry vs Titan 2 機能比較
| 項目 | BlackBerry Passport | Titan 2 |
|---|---|---|
| OS | BlackBerry 10 → Android | Android 15 |
| アプリ資産 | 限定的 | Google Play全対応 |
| キーボード | タッチセンサー内蔵 | 新設計シリンドリカル |
| デザイン | ステンレス、業務的 | 洗練されたビジネス仕様 |
| 拡張性 | 限定的 | サブディスプレイ等豊富 |
7. 【実用編】Titan 2を120%使いこなすためのおすすめアプリ
おすすめアプリ15選
文書作成・編集
- Microsoft Office Mobile – Word、Excel、PowerPointの編集
- Google Docs – クラウド同期での文書作成
- Notion – オールインワン生産性アプリ
- Obsidian – 筆者は使用率90%くらい高く、プラグインでAIも利用可能なマークダウンメモ
メール・コミュニケーション
- Microsoft Outlook – 統合メール管理
- Slack – チームコミュニケーション
- Discord – コミュニティ参加
業務効率化
- Todoist – タスク管理
- Evernote – ノート・情報管理
- CamScanner – 書類のデジタル化
開発・技術系
- Termux – Linuxターミナル環境
- GitHub – コード管理
- SSH Button – サーバー管理
その他便利アプリ
- Nova Launcher – ホーム画面カスタマイズ
- Tasker – 作業自動化
- AccuBattery – バッテリー管理
8. WorkTypesLab的まとめ:Titan 2はこんな人におすすめ!

Titan 2が最適な人物像
ビジネスパーソン
- 外出先でのメール対応が多い
- 長文の報告書作成が必要
- 他人と差別化したいエグゼクティブ
クリエイター・ライター
- 移動中のアイデア記録
- SNSでの長文投稿
- ブログ執筆の効率化
エンジニア・開発者
- SSH接続でのサーバー管理
- コードレビューや修正
- 技術文書の作成
ガジェット愛好家
- 希少性の高いデバイス収集
- 新しい入力体験の追求
- 所有欲を満たすデザイン
9. よくある質問(FAQ)
- ゲームは快適にプレイできますか?
-
正直なところ、ゲーム用途には不向きです。1:1の画面比率により、多くの3Dゲームで表示が最適化されません。パズルゲームや縦画面ゲームなら問題ありませんが、ゲーミング性能を求める方は他機種をおすすめします。
- 防水・防塵性能はありますか?
-
初代Titanとは異なり、IP等級の防水・防塵性能は公式に謳われていません。ビジネス仕様への転換により、タフネス機能は省略されました。日常的な小雨程度なら問題ない可能性はありますが、水回りでの使用は避けるべきです。
- 日本のキャリアSIMは使えますか?
-
はい、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの主要バンドに対応しており、JATE認証も取得済みです。SIMフリー端末として各社のSIMカードが利用可能ですが、一部バンドの対応状況は事前に確認することをおすすめします。
- ケースや保護フィルムはありますか?
-
Unihertz公式からレザーホルスターが販売されています。4.5インチ正方形という特殊形状のため、汎用品の流用は困難です。保護アクセサリーは純正品または専用品の利用を強く推奨します。
- BlackBerry Hubのような機能は使えますか?
-
純正の統合管理アプリはありませんが、「Microsoft Outlook」「Spark Mail」などのサードパーティ製アプリで同様の環境を構築できます。Androidの豊富なアプリ資産により、BlackBerry時代以上の機能性を実現可能です。
- 技術サポートは受けられますか?
-
Unihertzは海外メーカーですが、日本語でのメールサポートに対応しています。また、国内の代理店経由での購入なら、より手厚いサポートを期待できる場合があります。
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