【1ヶ月実機レビュー】Unihertz Titan 2を使い込んで分かった真価|正方形画面の落とし穴と“執筆端末”としての完成度

目次

はじめに:スマホで「書く」人ほど、Titan 2は刺さる

スマホでの文字入力が当たり前になった今でも、長文をスマホで書くのがしんどいと感じる瞬間はありませんか?

  • 返信が長くなるほど誤タップが増える
  • フリックのスピードが頭の回転に追いつかない
  • 文章を整える(修正・言い回し変更)が面倒

そんな悩みに、真正面から答えてくれるのが物理QWERTYキーボード搭載スマホの「Unihertz Titan 2」です。

一方で、Titan 2は“万人向け”ではありません。1:1(正方形)ディスプレイゆえのアプリ相性問題は、1週間では気づきにくい落とし穴があり、1ヶ月使ってようやく「これは日常スマホには厳しい」と感じた場面もありました。

この記事では、筆者がTitan 2を1ヶ月使い込んで分かったことを、良いところも悪いところも正直にまとめます。

  • 結論:Titan 2は「メインスマホ」より、“執筆・入力・思考の整理”に寄せたサブ機として完成度が高い
  • 注意点:緊急速報など“絶対に表示が崩れてはいけないUI”が、環境によっては見切れる可能性がある

前回記事「1週間使用したレビュー」はこちらから

Unihertz Titan 2とは?

Unihertz(ユニハーツ)は、大手が作らない尖ったスマホを継続して出しているメーカーです。Titan 2はその中でも、物理QWERTYキーボード正方形ディスプレイを組み合わせた、かなり特殊な1台。

主要スペック

スペックは記事内で不確かな断定を避けるため、メーカー公式ページと報道を根拠に記載します。

項目Titan 2(Unihertz)
メイン画面4.5インチ/1440×1440/1:1(正方形)
サブ画面背面2インチ(410×502)
OSAndroid 15
SoCMediaTek Dimensity 7300
メモリ12GB
ストレージ512GB
バッテリー5050mAh(33W充電)
通信5G、Wi‑Fi 6、Bluetooth 5.4、NFC など

※細かな対応バンド等は、購入前に必ず公式仕様で確認してください。

1ヶ月の使い方:筆者の運用

筆者の用途はかなり偏っています。

  • 主用途:Obsidianでの執筆、メモ、下書き作成
  • AI活用:文章の整形、構成案づくり(ツールは複数)
  • エンタメ:ゲームは基本しない/動画はショート中心(YouTube Shorts、TikTok、Instagram Reels)
  • メイン機:Galaxy Z Fold6(テザリングや大画面用途も含む)
  • Titan 2の立ち位置:サブ機として、外出時に「PCを開けない時間」を埋める

この前提が違うと評価も変わるので、同じ端末でも感じ方がズレる点はご容赦ください。

実機レビュー(1ヶ月で見えた“強み”と“罠”)

1. 画面比率(1:1)が生む表示バグ:緊急速報が“見切れた”のは致命的

Titan 2の魅力でもあり弱点でもあるのが、1:1の正方形ディスプレイです。

筆者は12月上旬、地震による緊急地震速報のポップアップが表示された際、 ポップアップ下部(閉じる/詳細などのボタンがある領域)が見切れて操作できない状態になりました。

  • 画面下にボタンがあるのに、下が切れて押せない
  • 結果として、通知を閉じられず“端末が実質操作不能”に近い

通常時であれば、メニューからミニモード(縦長比率での表示)を起動することで回避できました。 しかし、緊急時はメニュー操作すら難しい。

最終的には再起動で通知が最小化され復帰しましたが、 スマホとしては「緊急のポップアップが出ただけで使えなくなる」可能性があるのは、評価が一段下がるポイントです。

ここから言えること

  • Titan 2は、日常UIが“正方形前提”ではないアプリやシステムUIに弱いことがある
  • とくに緊急速報のような重要UIで起きると、笑えない

※この挙動は環境(表示サイズ設定、OS/アプリの組み合わせ)でも変わる可能性がありますが、少なくとも筆者環境では再現しました。

2. 入力体験:物理キーボードは、やっぱり速い(ただし数字がクセ)

一般的なスマホのフリック入力と違い、Titan 2は物理キーボード入力が主役です。

結論として筆者は、物理キーボードの方が明確に入力が速いです。 特に「考えながら書く」系の作業(メモ、記事、長文返信)では、体感差が大きい。

一方で、1ヶ月使って気になったのはここ。

  • 数字キーの配置が左寄りで、電卓などの数字入力が“地味に面倒”
  • 日本語の予測変換が弱い気がする(短文チャットは許容、長文はストレスが出る)

筆者の体感としては、

  • LINEのやり取り程度 → 気になりにくい
  • 記事作成など長文 → 変換ストレスが積み上がる

「速く打てるのに、変換で止まる」というもったいなさがあります。

3. バッテリー:外出“執筆端末”としては満足度が高い

バッテリーは、1ヶ月使ってかなり満足しています。

特に、

  • 1日の大半が移動
  • PCを開けない
  • Titan 2でObsidian執筆

という日でも、ほぼ1日使って残量60〜70%程度残る日がありました。

比較として、メイン機のGalaxy Z Fold6は、外部キーボード+スタンドでPCのように作業すると、体感で減りが早いと感じることが多いです(端末の使い方の差も大きいですが)。

なお、バッテリー容量の公表値だけ見ても、

と、Titan 2のほうが容量は大きめです。

4. 通知が遅い:スマホというより“作業端末”になっていく理由

スペック不足か設定かは断定できませんが、筆者環境では通知が常に遅いと感じました。

  • XやInstagram
  • LINE(サブ機運用)

メイン機で通知が来てから、数分後にTitan 2に届くことがある。 同じWi‑Fiでも起きるため、単なる電波状況だけでは説明できない印象です。

この一点だけでも、 Titan 2をメイン機にするのは厳しいと判断しやすくなります。 逆に言えば、通知遅延を許容できる用途(執筆・編集・メモ)なら問題になりにくいです。

5. アプリ相性:縦動画は“全部見える時”と“切れる時”がある

エンタメ用途でのマイナスは正直あります。

YouTube Shorts、TikTok、Instagram Reels などの縦動画が、

  • 全部表示される時
  • 上下が切れて真ん中だけになる時

があり、条件が掴めませんでした。

筆者はエディタやAIツール中心なので致命傷ではありませんが、 「普段使いスマホ」として見ると、エンタメ体験は弱いです。

6. “普通のスマホ”としての挙動:アプリ一覧の並び替えが地味に不便

Androidとしての挙動で気になったのが、 ホーム画面で下から上にスワイプして出る「全アプリ」画面です。

筆者は、Galaxyでは“アプリ一覧の中でもフォルダ分け”のような整理をしていました。 しかしTitan 2では、全アプリ画面がおそらく五十音順で並ぶ仕様で、アプリ一覧の中でGoogle系だけをフォルダ分けする…のような整理ができませんでした。

  • ホーム画面ではフォルダ分けできる(ので致命的ではない)
  • でも「普段使わないアプリ」をホームに置かない運用だと、探すのが面倒

このあたりは、ランチャー変更で改善できる可能性があります(後述)。

7. 背面ディスプレイ:最初は面白い、でも“3日で触らなくなる”ことも

背面ディスプレイは、最初は「面白い」と感じました。

ただ、筆者は購入3日後から、一度も使っていません。 理由はシンプルで、

  • バッテリー消費を増やしたくない
  • そもそも“明確な用途”が自分の中に定着しなかった

ギミックとしては楽しいですが、刺さる人と刺さらない人が分かれる部分です。

8. スマートウォッチ連携:アプリ側のエラー表示がモヤる

筆者は、

  • 左手:Galaxy Watch
  • 右手:Xiaomi Smart Band

のような運用をしており、Titan 2にはXiaomi Smart Bandを登録しています。

ただ、ウェアラブル用アプリから 「バックグラウンド常時稼働させてくれ」 のような表示が出続け、設定を満たしているつもりでも“エラー表示”が消えないことがありました。

一方で、トラッカー情報はアプリ上に反映されるため、

  • 本当に切れているのか
  • アプリ側が誤検知しているのか

判断がつきにくい。 この“モヤモヤ”は1ヶ月使っても解消しませんでした。

メリット・デメリット(正直評価)

メリット

  • 物理キーボードで長文が速い:執筆、メール、メモが快適
  • バッテリー持ちが良い(体感):移動日でも残量に余裕が出やすい
  • サクサク動く印象:執筆・AIツール用途では不足を感じにくい
  • 所有欲が満たされる:人と被らない/“作業してる感”が得られる
  • BlackBerry Passport級のサイズ感に刺さる:往年のQWERTY勢にとってロマンがある

デメリット

  • 1:1画面の副作用が強い:アプリ/システムUIで見切れや表示崩れが起こり得る
  • 緊急速報の表示崩れは致命的:緊急時に操作不能は許容しづらい
  • 通知が遅い(体感):メイン機運用が難しくなる
  • 縦動画が安定しない:ショート動画視聴が多い人には不向き
  • 日本語変換の弱さが長文で効く:入力が速いのに詰まることがある
  • 背面ディスプレイが“持て余す”可能性:用途が定着しないと触らない

他製品との比較(用途で選ぶのが正解)

筆者が実際に併用している「Galaxy Z Fold6」との比較を、スペック勝負ではなく“用途”で整理します。

Titan 2 vs Galaxy Z Fold6(実用比較)

観点Titan 2Galaxy Z Fold6
文字入力物理キーボードで速い(長文向き)画面キーボード中心(外部キーボードで補える)
画面の汎用性1:1ゆえ相性差が出る一般的な比率で安定/大画面も使える
通知遅いと感じることが多いメイン機として問題が出にくい
エンタメ(縦動画)条件で切れることがある安定しやすい
バッテリー体感で余裕が出やすい使い方によって減りが早い印象
位置づけ執筆・作業のサブ機に強い全部やるメイン機向き

※バッテリー容量の公表値:Titan 2は5050mAh(Unihertz公式)、Fold6は4400mAh(Samsung)

1ヶ月使って分かった「おすすめな人/おすすめしない人」

おすすめな人

  • 外出先で文章を書く人(Obsidian、メモ、ブログ下書き、メール)
  • 物理キーボードに憧れがある人(一度“良さ”を体験してほしい)
  • サブ機で仕事効率を上げたい人(タブレットや変な小型PCより刺さる場合がある)
  • BlackBerry(特にPassport)を使っていた/好きだった人
  • 人と違うスマホで所有欲を満たしたい人

おすすめしない人

  • 緊急速報や通知の確実性を最重視する人(メイン機に向きにくい)
  • ショート動画・SNSエンタメが主用途の人(表示相性でストレスが出やすい)
  • 物理キーボードに強い動機がない人(“普通に便利”を求めるなら大手の最新機が無難)

失敗しないための運用(1ヶ月で学んだ現実的な対策)

緊急時の“詰み”を減らすために

  • ミニモードの起動方法は、購入直後に身体で覚える(緊急時ほど落ち着いて操作できない)
  • 表示が崩れそうなアプリ(重要通知、金融、本人確認など)は、事前にテストしておく
  • 万一に備えて、再起動手順(ボタン操作)を把握しておく

※根本対策がOS/メーカー側の改善である可能性もあり、ユーザー側で完全に防げるとは言い切れません。

日本語入力ストレスを減らすために

  • 予測変換に依存しすぎない運用(辞書登録、定型文)
  • 記事執筆は、短文で刻んで書く→後でPC/AIで整える、のように工程分割する

アプリ整理のストレスを減らすために

  • ホーム画面に“探す頻度が高いもの”を寄せる
  • 必要ならランチャー変更も検討(好みが分かれるので、まずは軽く試す)

まとめ:Titan 2は“スマホ”というより「ポケットに入る執筆環境」

Unihertz Titan 2を1ヶ月使って感じたのは、 これは単なる変わり種スマホではなく、

  • 物理キーボードで思考を文章に変換しやすい
  • バッテリーに余裕があり移動日に強い

という意味で、“ポケットに入る執筆環境”として完成度が高いこと。

一方で、正方形ディスプレイ起因の表示崩れ、とくに緊急速報の見切れのような体験は、メイン機としての信頼性を下げます。

だからこそおすすめはシンプル。

  • 仕事・執筆の相棒として サブ機運用 → とても満足しやすい
  • 1台で全部を任せる メイン機運用 → 生活スタイル次第ではリスクが大きい

「物理キーボードの良さ」を知りたい人は、刺さった瞬間に代替が効かなくなるはずです。

[画像:Titan 2でObsidian執筆している様子]

よくある質問(FAQ)

Q1. Titan 2はメインスマホとして使えますか?

A. 使えなくはないですが、筆者は通知遅延や表示崩れ(緊急速報の見切れ)を経験したため、メイン運用はおすすめしにくいです。安心感を重視するならメインは別機種、Titan 2は“執筆サブ機”が現実的です。

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Titan 2はメインスマホとして使えますか?

使えなくはないですが、筆者は通知遅延や表示崩れ(緊急速報の見切れ)を経験したため、メイン運用はおすすめしにくいです。安心感を重視するならメインは別機種、Titan 2は“執筆サブ機”が現実的です。

1:1の正方形画面って、実際どうですか?

文章を読む・書く用途では快適です。一方で、アプリによってはUIが崩れたり、縦動画が上下カットされたりすることがあり、相性の波が大きいのが正直なところです。

物理キーボードは本当に速い?慣れが必要?

フリック派でも、ハマる人はハマります。筆者は長文入力が明確に速くなりました。ただし数字入力のクセ日本語変換の弱さは、慣れても気になる場面があります。

背面ディスプレイは便利ですか?

人によります。筆者は最初は面白いと感じたものの、3日目以降ほぼ使っていません。用途が定着すれば便利ですが、“なくても困らない”ギミックになりやすい印象です。

バッテリー持ちは良いですか?

筆者の使い方(Obsidian中心の執筆)ではかなり満足しています。移動日でも残量に余裕が出やすい一方、使い方(動画・撮影・高負荷)で変わる点は注意してください。

ショート動画(TikTok/リール/Shorts)は快適?

正直、安定しません。全部表示される時もありますが、上下が切れて真ん中だけになる時もあり、条件が掴めませんでした。エンタメ重視なら別端末が無難です。

スマートウォッチ/スマートバンドの連携は問題ない?

筆者はXiaomi系のウェアラブルで、アプリ側が「バックグラウンド常時稼働が必要」などのエラー表示を出し続けることがありました。ただ、トラッカー情報は表示されるため、アプリ側の表示の問題の可能性もあります。

購入前に確認すべきポイントは?

次の3つは必ず確認推奨です。

  • 使いたいアプリが1:1表示で崩れないか(重要アプリほど事前確認)
  • 通知の確実性をどこまで求めるか(メイン運用かサブ運用か)
  • 物理キーボードに、あなたが投資する理由があるか(憧れ/仕事効率/所有欲)

参考リンク

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この記事を書いた人

【WorkTypes(ワークタイプス)】
北海道を拠点に、Web制作・SNS運用・マーケティング支援を行う個人事業所です。
ガジェット・IT・副業・働き方に関する情報を発信するメディア「WorkTypesLab」を運営しています。
最新テクノロジーとリアルな現場経験を活かし、実用的でわかりやすいコンテンツづくりを心がけています。

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